家づくり 土地購入のノウハウ

マイホームを実現する手段は

①分譲住宅を買う
②建築条件付土地を買いその業者に建設してもらう
③土地を購入し、その後、気に入った建設業者で注文住宅を建てる

がある。それぞれの特徴は

①分譲住宅を買う

現物を実見できる安心感がある反面、建設プロセスが明らかでないためとんでもない手抜き工事などが後から判明したりする。大手業者の分譲でもこの種のトラブルは絶えない。また外観、間取りや内装、住宅設備などこだわりの強い人には物足りない面が多い。

②建築条件付土地を買いその業者に建設してもらう

この手法は薦められない。「鑑定の眼」で掲載した「建築条件付売地」の記事を引用すると

条件付土地を購入した場合、通常3~6ヶ月以内に指定する業者と建築請負契約を交わすことになっている。更地段階から住宅を建築するわけで、注文住宅やイージーオーダー住宅(一種の注文住宅)が可能となっていても実際にはそれほど自由度がなく、変更を要求すると法外なオプション料金を取られたりするケースもある。

工事をする工務店を選べないため複数業者から見積もりを取り、建て主主導で工事料金を決めることができない。実際に建築して技能が低いことが判明したりする。建築契約までの期間が不十分なため十分話し合いなく決めてしまいがちなので変更、追加工事が多くなる。また業者によっては建築請負契約時の添付設計図書が不十分か杜撰な場合もある。

見積もり内訳書が粗雑なため工事内容、範囲が明確でなくもめる原因となる。仕様書(施工上必要最低限の注意事項と材料の選定に関する基準、仕上げの程度を明記したもの)の提示がない場合、基礎の配筋や木材を継ぐ金物、断熱材のレベルなど住まいの重要部分が業者仕様でされてしまう。

その会社が過去に建てた建物を見ることで、デザイン性など表面的な出来ばえを判断できるが、重要なのは、その会社の工事中の現場に頻繁に足を運んで基礎、躯体などの工事状況を見たほうが良い

③土地を購入し、その後、気に入った建設業者で注文住宅を建てる

土地探し、購入などに多大の時間と専門知識を要し、土地購入後の住宅建設業者選定、施工現場のチェックなど素人にはかなりの負担になる。しかし、自分が気に入ったマイホームを実現した!!という満足感はこの手法が一番高い。土地購入後の住宅建設業者選定は「住宅展示場の活用」を参考にしていただきたい。ユニークなノウハウが得られます。

このコラムでは失敗しない土地購入のノウハウの一部を紹介する。

1、将来、値下がりしない土地を買う

マイホームを実現する動機は人によりさまざまである。自然環境が豊かな田舎で自然と共生した住宅を建てたい人は、通勤や買い物などの利便性は重要でない。仕事が忙しい人は職住近接のエリアに限定するだろう。個人的なこだわり、動機は無視して常識的レベルで土地選定を考えた場合、値下がりしない、しにくい土地は、市場性が高い、つまり多くの人が住みたくなる土地といえる。その必要条件として

  • 都心に鉄道駅(バス便ではない)での接近性がよい。また最寄駅まで徒歩10分以内にある
  • 「教育」「医療」「商業」への利便性が優れている
  • 接面街路が最低4m以上の公道で建築基準法上、再建築に問題がないもの
  • 大手デベロッパーの大型住宅団地や街区、環境がよい住宅団地内にある
  • 土地形状が整形であること

などに集約される。

2、土地購入を業者に依頼する前に専門家の調査を受ける

1に該当する土地をインターネットなどで絞込み、いよいよ業者と交渉することになる。土地をめぐる法律、税制は複雑で、地盤の良否など専門知識を必要とするので信頼できる業者に依頼するのがベストだが良い業者は大手業者と一概に言えない。中小業者にも豊富な専門知識を持ち誠実な業者も多い。問題は、気に入った土地の担当業者の質である。

提示価格の妥当性、物件に隠れた瑕疵がないかなどの検証は買主にとって絶対に必要である。業者、売主から客観的な立場のとれる専門家に調査依頼することを薦める。手前味噌になるが不動産鑑定業者の物件調査、適正価格調査を受けることがベストである。このような簡易評価の依頼の場合、概ね10万円以内で2~3日でやってくれる。価格の妥当性や将来の再建築、増築などの可能性、地域の特性などがわかり買主にとって有益である。

3、近所、周辺の居住者調査

居住する場合、隣近所の居住者とうまく付き合えるかは、日々の生活で重要なテーマである。個人的な相性もある。この調査は特別な手法があるわけでない。隣家などに「ここの土地に居住するつもりですが…」と言って挨拶をかねて世間話などをすると大体の感触がつかめる。土地購入後、家の建築前にこうした挨拶をするが通例だが、土地購入前にすましておくと不安が解消する。

以上土地を購入し、その後、気に入った建設業者で注文住宅を建てるための土地購入の留意点など述べた。成功した場合の満足度が高いが、困難なハードルも多い。解らないとき、不安なときは専門家を上手に活用することを薦めます。

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