小泉改革で地価下落の最悪のシナリオ!!

テレビ朝日サンデープロジェクト党首討論で視聴者は小泉総理の言う「痛み」の実体を総理自身から明言され放心状態になったのではなかろうか…不良債権最終処理はグローバル化による国際競争に生き残れない低生産の企業は倒産し、市場から退場する。

政府はセーフティネットで期間限定の失業給付はするが企業の淘汰には関知しない。真面目に経営努力してきた中小企業の社長もバブルでイイ境遇にいた不届きなバブル紳士も潰れるとき、国は社会モラルで選別し救済しない。大手ゼネコンは社会的負の影響を配慮し共産党の志井党首が言うように債権放棄で延命できるかも…扇党首が「今までの政権は倒産しても仕方ないとは言わなかった。今度の政権は明言して選挙する」と胸を張った。国内GDPは1~3月期マイナス成長となった。4~6月期もマイナスとなる。株価も7月18日12,000円を割り下落の坂道の途上にある。経済諸指標は軒並みに危険水域を示している。外科手術前に患者の体力は確実に萎えてきた。亀井静香氏は「不良債権処理を進めれば海外ハゲタカファンドの餌食になるだけだ」と言ったらしいが…

しかし「痛み」の実体を明確にし全ての国民が多かれ少なかれ痛みと無関係ではあり得ないことをしっかりと認識することは重要である。政府は不良債権処理を進めても絶命しないように地価下落抑止策を進めている。東京、大阪など大都市の「都市再生」とRCC(債権整理回収機構)の機能拡充である。

ここにきて断行せざるをえない不良債権最終処理は対象とされる主要行の「破綻懸念先不良債権」に含まれない「要注意先債権」の大部分が不良債権化している実態がある。さらに8割の地銀・第二地銀で不良債権が前年に比べ増加した。「国際化の流れについていけず、創業から10年前後で業績が悪化する社歴の浅い地元企業が多い」地方銀行は対象になっていないものの、主力行が法的整理や債権放棄などの処理に踏み切れば、地方銀行も追随を迫られることも予想される。「最終処理を地域金融機関にも求めるのは、地域への影響が大きすぎる」など地銀界では反対の声が強いが、不良債権処理の加速で今期も損失が膨らむ可能性が大きい(日本経済新聞06.02)。

企業会計の時価評価、企業の生産拠点の海外移転などの要因もかさなり企業の土地放出が加速、都市再生のあをりで地方の地価下落が急加速する頃には高支持率が急降下し求心力を失った政権はデフレスパイラルを制御できず構造改革は尻切れトンボとなり、株価は外国人投資家の失望売りで8,000円まで下落。新たな不良債権の大量発生で大都市の地価下落は加速し、担保割れによる法的整理、連鎖倒産が増加する。日本経済はまさに恐慌状態となる。

以上の悪夢の地価下落のシナリオは充分に可能性があるが、反面、不良債権処理が上手に達成できれば日本経済の重石、ネックと指摘されてきた非効率な人、モノ、金の配分をITなどの高生産分野に効率よく投下することが可能となり不良債権の大部分を占める大都市の機能再生と相乗して新生日本経済が始動し地価下落はソフトランディングする。不動産市場は不動産投資信託という新たな血流で活性化する。外資の積極的な不動産投資はこの辺を期待している。

最近、その中味???の小泉総理だが大変な重責を担っている。構造改革の効能で地価下落に歯止めをかけられるか、ガタガタと崩壊させるか歴史的正念場を迎えた。

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