IT革命がもたらすモノはナンダ?

IT革命と言う言葉が、地球上に氾濫している。国内でもITがあらゆるメディアに登場する。あの森首相もITを啓蒙する。ITは人によって種々に解釈される。企業のIT化で粗大ゴミになってしまった中高年管理職は、リストラの強迫観念に襲われパソコン教室に通う。若くて野心的な起業家は、ITがもたらす収益に過剰な期待をかける。言い古されたITの定義はこの稿では省略し、ITが人間にもたらすモノはナンダと言う壮大なテーマの1面に触れる。

ITを始めとするコンピュータ技術は、森羅万象あらゆるものをデジタル化しようとする。人間の体内のミクロな情報から地球空間で営まれる人間にとって有益な種々の情報や宇宙のビッグバンを解明する情報までだ。これらの種々のデータベースを構築し、解析することにより単なるデータの集まりに見えたモノに今まで見えなかった規則性があることを解明し、それらのデータを加工し活用する有益なシステムを創り出す。

卑近な例で言うと、コンビニのポスシステムで特定のスポーツ紙を買う人間は、特定の週刊誌を購入するという傾向が把握できたとすれば、さらにどこのプロ野球チームが勝てば、連鎖してどのスポーツ紙がどのような比率で売れるかを分析して各商品の売上増に寄与させるなど(これは例えでこういう事実の有無は根拠無し)。ビジネス面でさらに言うと、ECサイトで顧客の購入履歴や属性データをデータマイニングを使い分析し、さらなるターゲットとなる顧客の絞込み、商品開発、営業戦略を立てるなどだ。あるいはITの活用でデジタル化された情報を蓄積し、解析し、共有化することで組織、企業を縦断的、横断的に再構築し人間の既成の思考回路を超えた全く新しいビジネスモデルを誕生させそれらのビジネスモデルはさらに重層してグローバルに進化する。

インターネットの普及によりこれらのシステムの技術進化は多岐に渡る分野で加速している。これから人間がITを活用する上で重要なことは、単にPCの操作に上達することなどでなく、既成の固定観念を破り新しいモノや仕事、生活の流れを創造する柔軟なシステム的思考をITの技術進化とともに連携して常に持てるかである。この基本スタンスを忘れるとIT革命と言う巨大な変革の実像を掴みきれない結果となってしまう。

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