施主と設計家、中小工務店をネットで結ぶ
ソフト会社、ベンチャー企業による家づくりのネット化の構築が始まっている。インターネット上で施主⇔工務店⇔建材、住設メーカーの流れや施主⇔建築家⇔工務店、建材、住設メーカーの流れが組み立てられている。従来、施主と中小工務店の家づくりの関わりは地元、紹介などのキーワードで括れた。しかしインターネットの急速な普及は従来の関係を超えた広域・広範、効率的展開を実現しつつある。
ソフト会社のテレシスは、まず2000年10月施主と工務店を結ぶBtoCのサイト「e-ハウスバンク」を立ち上げた。施主が家造りの際の重要ステップである設計事務所、工務店の選択・依頼の流れをネット化するためだ。ユーザーはパソコンにダウンロードした3次元CGソフトで自由に間取りや外観を設計できる。次に2001年1月工務店と建材、住設メーカーを結ぶBtoBのサイト「ビルネッツ」を立ち上げる。「ビルネッツ」は建材や住設機器をデータベース化し資材価格、特徴、画像を工務店にネットで提供、建材市況、新技術の紹介も盛り込む。物流や与信機能を構築するため建材店を「ハウジングサテライト」として組織し、この建材店が工務店への情報発信拠点となり商品を工務店へ運搬する配送センターにもなる。
ベンチャー企業「ウイークエンドホームズ」は、施主が同社に依頼した場合、敷地調査を含め1ヶ月半の間に建築家から設計案を募り「おすすめ」として3件程度に絞込み施主に提案する。この段階までは施主に費用は発生しない。さらに同社は旭化成系建築資材調達会社「カーサナビ」と提携した。建築家へのコンペと「カーサナビ」が統括する工務店の入札の両機能で低価格で良質な住宅提供をする戦略である(日経産業新聞記事による)。
上記事例は、インターネットを媒介とし施主⇔工務店or建築家のBtoCと工務店⇔建材、住設メーカーによる資材調達のBtoBが両輪として組み込まれ機能する家づくりの統合ネット化である。家づくりでは、依頼予定の建築家や工務店が実際に建てた家の現物を見るなどして感性や力量、誠実さを検討する作業が不可欠なためすべてネットというのは問題があるが、従来の分厚いカタログなどによる打ち合わせをインターネットで好きなときにパソコンで気軽にできたり、施主の希望に沿う工務店などの選択の幅が拡大するなどのメリットは計り知れない。
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