拡大するホームセキュリティ需要

長引く不況と人心が荒んできたせいか空き巣やピッキング、強盗、放火などが増加しています。しかし犯罪の検挙率は低下傾向。「家族の安全は自分で守る」時代へと、日本の社会も変わり、ホームセキュリティへの関心が高まっています。

センサーを使って不審者の侵入を監視し、異常があれば警備員が駆けつけるホームセキュリティの料金は、取り付けるセンサーの数や監視する範囲の広さで変わる。機器類をレンタルした場合、戸建住宅では3LDKで月額9,000~12,000円、4LDKで10,000~12,000円が相場、マンションは2LDK~3LDKクラスで7,500~11,000円が主流。ほかに工事費などの初期費用が戸建で6万~8万円、マンションで3万円前後かかる。

セコムの独壇場だったこの分野も、参入が増え市場拡大で価格競争も進んでいる。日経産業新聞3月28日は「大手戸建ハウスメーカーが戸建住宅向け防犯設備を相次ぎ投入している。」と報じている。

積水化学は、昨年12月から8つの防犯設備で構成する「S&Sパッケージ」を発売。8つの設備は「進入しにくくする」と「狙われにくくする設備」の2つからなる。そのいくつかを紹介すると…

進入しにくくする設備の目玉は、ガラスとガラスの間に同社が開発した厚さ0.76ミリの中間膜を挟み割れにくくした窓ガラスがある。工具などで数回打撃を与えても割れにくく事故で割れた場合もガラスは破片が飛散しにくい。玄関のカギには多くのくぼみがあり複製しにくい「ディンプルキー」を採用した。120億通りのパターンがあるという。狙われにくくする設備として録画機能付きテレビドアホン、オートセンサー付き玄関灯、シャッター付き雨戸などを備えた。パッケージを132平米の戸建に付ける場合、約17万円のコストがかかる。

ナショナル住宅は、ICカードをかざすだけで施錠、開錠ができる「電気錠システム」や、来訪者の確認に便利な「テレビドアホン」、外壁の侵入者威嚇用点滅ライト、窓の防犯性を高める「シャッター雨戸」などの設備をラインナップ。さらに、セコムのホームセキュリティを標準装備した「セキュリオ」も発売。

ピッキングなどの犯罪は、低年齢化しており、ますます増加すると思われる。再犯が多いのもこの犯罪の特徴だ。警備保障会社と契約していても警備員が到着するまで時間がかかる。警備保障会社がやってくるまでは自力で持ちこたえる自己防衛の状況を作らなければならない。安全神話が脆くも崩れ日本も国際社会並になったということか…

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