立体駐車場の最近事情
手軽な土地有効利用としてバブル時は市街地に立体駐車場が林立したものであるが、バブル崩壊、地価下落の影響を受け1991年に年間14万台を超えていた市場規模は1999年には約10万台に縮小した。
ゼネコンへの需要が減ったのが最大要因と指摘されているが、今後の需要回復は見込めない厳しい現状だ。新規の需要が見込めないため「三菱重工業は既設の立体駐車場を収容台数を変えずにRV車など車高1.5~1.8mの中型乗用車を受け入れられるようにする改造工事の受注に乗り出した。改造請負の中心とするのは収容台数15~50台のタワー式立体駐車場「タワーパーク」。出入り口の高さを変更するほか自動車を載せるかごや駆動装置を重量増に対応できるようにする。」(日経産業04.04)
若者を中心に普及しているRV車が既存の立体駐車場では車高規制で対応できない。日頃、都心のショッピングで駐車場探しで悩んでいた若者には朗報である。
立体駐車場の最大手石川島播磨工業はタワー型の「マルチエレベータパーキング」を開発販売した。無駄なスペースを有効利用して収容台数を従来のものより増やし1台当りコストを引き下げた。
総需要低下により企業努力による価格競争力でメーカーは熾烈な生き残りをかけた勝負をしている。
政府自民党の皆さん、国民の血税を公共工事の垂れ流しに使う前に、民間の涙ぐましいコスト削減、創意工夫を見習って欲しいものだ。
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