| 基本設定/土地建物価格 | 総収入/総費用 | 変動予測 | 割引率/還元利回り | キャッシュフロー/収益価格 |
| レバレッジ効果分析/リスク分析 | シミュレーション | テナント毎の個別シナリオ | グラフ | DCF法ソフト「レシオ5/5」 |
利回り
| これまでのプロセスで総収入、総費用の2面から把握された純収益を割り引くための割引率を査定し、さらにはn+1年目(このモデルでは7年目)の純収益から復帰価格を求める最終還元利回りを求めなければなりません。精緻な利回りの査定はDCF法の最重要課題といえます。 利回りの査定は1、データーベースを使う 2、利回り査定手法により求める に大別されます。DCFアナリシスソフト「レシオ」はこの2面機能を併せ持っています。 |
T、データーベースで利回りを求める。
| 投資物件の適正な割引率や還元利回りを求める手法として、評価物件自体の過去のトラックレコードの検証は欠かせませんが、さらにデーターベースで評価先例データを参照することがあげられます。 この時に「レシオ」のデーターベース機能が威力を発揮します。割引率や還元利回りは、地域別、用途的地域別、品等別等によって異なる傾向を持つため、対象不動産に係る地域要因及び個別的要因の分析を踏まえて求めることが必要ですが、レシオのデーターベース機能で評価先例の利回りデータを検索し、所在、建物種別、敷地面積、築年数、規模(延床面積)、構造、経過年数、用途地域などを一覧で参照することができます。 |
●類似の先例評価物件から利回りデータの検索
「TPOビル」の利回り査定に必要なデータを検索してみましょう。 ○データ項目:評価番号、ビル名称、住所、建物種別、敷地面積、築年数、規模(延床面積)、構造、経過年数、用途地域、容積率、容積充足率、価格時点、割引率、還元利回り ○検索/ソート:「所在」を東京都中野区、「用途地域」を商業地域、「建物種別」を店舗・事務所・共同住宅に検索条件を絞って検索するとレシオの画面に該当データが抽出されました。 |
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●利回りデータの比較
検索条件に該当するデータが抽出されました。割引率が5.5〜6.0%、還元利回りが7.40〜8.00%の範囲にあります。対象案件と抽出データの帰属する物件の諸要因を比較し、利回りを検討します。 【利回り比較項目】 1、空室損失や現行賃料水準の割高感など純収益の将来動向についての予測 2、権利の態様(区分所有、共有、借地を含むケースなど)は改修修繕時の合意の困難性などのリスクとなる。 3、規模(敷地面積、延べ床面積、基準階面積等に関する傾向。また基準容積率に比較し実際使用面積が少ない場合、増築、連坦建築物設計制度等の可能性により潜在収益力に影響する。 4、建物の築年数(建築時により耐震基準、コンクリート強度N/mm2、有害物質の使用などが異なる。) 5、賃借人の属性(ビルのグレ-ドに影響) 6、管理、修繕状況 7、契約条件、賃貸形式(マルチテナント・シングルテナントの区分、コアの位置等の関係で退出後個別賃貸可能かなど) |
U、査定手法により求める
●割引率の査定
@資金調達割合(借入金と自己資金)に係る割引率から求める方法
| ■通常、不動産を購入する場合、購入者は自己資金(エクイティ)と借入金(デッド)を併用するという考えに着目した手法です。市場における標準的な借入金割引率と自己資金割引率をそれぞれの構成割合で加重平均して求めます。借入金割引率は典型的投資家が投資不動産の購入で調達する借入金の金利となり、自己資金割引率は標準的借り入れ条件を前提として投資家が期待するであろう収益率になります。 ■例えば証券化の場合であれば、デッドの割引率は、金融機関のノンリコースローンの不動産事業向け長期貸し出し金利を標準とし、保有期間を通じた純収入の変動予測に基づく対象不動産の個別のリスクなどを考慮した査定金利を採用します。エクイティ部分の割引率は取引利回り、投資家のヒヤリング、国債などのリスクフリーレートに不動産投資特有のリスクプレミアム、さらには地域性、対象不動産の個別性を総合勘案して査定し、得られたそれぞれの割引率を自己資金(エクイティ)と借入金(デッド)の構成比で加重平均して求めます。 |
A積み上げ法
| 無危険資産収益率の代理指標として国債利回りを標準とし、投資対象の危険性、管理の困難性、資産としての安全性を総合加味して求める手法です。 |
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B類似の不動産の取引事例から割引率を求める方法
| 収益用不動産の取引事例における割引率(IRR)を算定し、対象不動産の割引率を査定する手法です。取引事例のIRRがはじめから解っていれば、そのIRRに事情補正や地域格差係数、個別格差係数を対象不動産との比較で考慮して求められますが、保有期間や保有期間における純収益の推移の直接のデータがないときは、平均的保有期間を想定し、事例不動産の種別、用途に応じた標準的経費率を考慮することで想定純キャッシュフローを想定保有期間内で査定し、IRRを求めることができます。 |
| レシオの場合、取引事例の取引価格、年額家賃のデータから純収益NOIを査定し、想定保有期間n+1(想定復帰価格がある場合、n)年までの純収益推移を想定すると以下のようにIRRが自動計算され、対象不動産と比準することによりIRRが求められます。 |
レシオ画面(取引事例のIRRから比準)


●還元利回りの査定
査定1、借入金と自己資金に係る還元利回りから求める方法
| この方法は、不動産の取得に際し借入金を利用するケースが多いという資金調達の要素に着目した方法で、不動産投資に係る利回り及び資金調達に際する金融市場の動向を反映させることに優れています。 上記による求め方は基本的に次の式により表されます。 R=RM ×M +RE×WE R:還元利回り RM :借入金還元利回りRM(通常、元利均等償還率) M :借入金割合 RE :自己資金還元利回り WE :自己資金割合 レシオ「査定1」で (0.070361×0.60)+(8.50%×0.40)=7.62% と求められます。 |
査定2、借入金償還余裕率(DSCR)から求める方法
| DSCRは年間純収益÷借入金年間返済額(通常は元利均等償還額)で求められます。投資不動産の借入金返済能力を示す指標です。 「標準性ガイドライン」では低リスク案件でDSCR>1.2、ハイリスク案件でDSCR>1.5以上とされています。 スタンダード&プアーズによる東京所在の平均的競争力を有するオフイスビルの格付けレベルごとのDSCR参考値(Net Cash FlowでのDSCR計算)では 格付けレベル DSCR AAA 2.25-2.5 AA 2.0-2.25 A 1.8-2.0 BBB 1.6-1.8 BB 1.4-1.6 B 1.2-1.4 レシオ「査定2」でLTV60%、借入金利3.5%、返済期間20年、DSCRを1.8と想定すると R=RN×M×想定DSCR =0.070361(元利均等償還率)×60%×1.8(想定DSCR) =7.60% と求められます。 |
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