遊休地利用ビジネス / 痴呆症高齢者のグループホーム

建設・不動産販売の三光ソフランは東京ファイナンシャルプランナーズ(TFP)と提携して、痴呆症の高齢者が共同生活するグループホームを全国展開する。遊休地利用のこのビジネスモデルを紹介すると、TFPの地方拠点ととなっている全国23ヶ所の会計事務所が土地を有効活用したい地主を三光に紹介。地主がグループホームのオーナーになり三光側に運営を委託する。各地で運営するグループホームの経理、税務業務はTFPグループが請け負う。TFPの提携先の会計事務所は富裕層を対象に相続対策や資産コンサルティングに実績があるところが多い。

駅からの接近性が悪くマンションに向かない立地でも高齢者施設なら数ヶ月で満室になるところに高橋社長は着眼した。高齢者施設でも有料老人ホームでなくグループホームに目をつけたのは1施設で2億円程度と比較的安価に建設できる。個室内に風呂、トイレが付いた定員70人規模の有料老人ホームだと最低でも7億円の投資が必要。

グループホームは最大でも定員が27人と小規模でトイレ、風呂などの設備は共用で済ませられる。地主側も賃貸マンションを建設する場合に比べ投資コスト回収リスクが軽減できるメリットがある。

今期中に各地の地域会社がそれぞれ2ヶ所で施設の建設に着手し、来期から順次開業する。地域会社とは別に営業基盤である首都圏では20ヶ所のグループホームを直営する予定である。介護事業は売上高に占める人件費率が6~8割と高いのが課題だが、グループホーム間での職員の融通で効率を高める予定だ。

賃貸マンションにならない立地にある遊休地の利用、ならびに富裕層の相続や資産コンサルタントを日ごろ行っている全国組織のTFPグループから施設オーナー見込み客の紹介を受けるというアイデイアが面白い。まさに高齢化の時代をターゲットにしたビジネスモデルだ。

ただ、高人件費率が懸念要因であるが、どの程度の利回りが確保できるのか、さらに新規参入もこれから増えると思われるのでいかに差別化をしていくかがポイントである。

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