不動産調査に威力を発揮!! iPhone ドコモ最新スマートフォン

巷ではiPhone4S狂騒曲が列島を席捲している。10月14日、アップル社の最新スマートフォンiPhone4Sが日本国内で発売された。テレビをはじめ各メディアに華々しく取り上げられ、高い関心を集めた。「iPhone4S」の販売台数は発売からわずか3日間で400万台を超え電話としては過去最高の数字を叩き出した。

初代のiPhoneは2007年に海外でアップル社から発売された、2008年になってソフトバンクモバイルがキャリアとなって「iPhone3G」がリリースされ、日本国内でスマートフォン人気を一気に高めた。

今回のiPhone4Sは、ソフトバンクモバイル(SoftBank)とKDDI(au)の2社が販売している。アップルが搭載しているOSは「iOS」で、NTTドコモのスマートフォンが採用するグーグルのOSは「アンドロイド」だ。アンドロイド搭載機種では、サムスン電子のGALAXYやソニーのXperiaが高人気となっている。

足元ではiPhone4Sの高人気でドコモのスマホ勢がかすんでしまった感がある。ドコモは今後、iPhoneを取り扱う可能性に含みを持たせているが、当面のドコモの戦略は高速・高容量データ通信を可能とするLTEネットワークの拡充だ。11年度末までに5,000局、人口カバー率20%という計画を14年度末で基地局数は5万局(従来の計画では3万5,000局)、人口カバー率も約98%(従来計画は約70%)にしていく。LTE拡大の起爆剤として割安な新料金プラン「Xiトーク24」を打ち出した。またドコモは今後、最新OS「アンドロイド4.0」への移行・バージョンアップなどスマホの機能面を充実してアップルに対抗する。ここしばらくはアップルのOS「iOS5」対ドコモのOS「アンドロイド4.0」という競合の構図が続きそうだ。

MM総研の調査によると10年度末のスマホ契約数の比率は8.8%で、15年度末には57.1%まで拡大する見通しと、今後、スマートフォンは爆発的に利用者が増える。スマホの普及はさまざまなビジネスに変革をもたらしている。筆者のような不動産鑑定評価に携わる者とか不動産取引業者などの間でも仕事にスマートフォンを活用するケースが急速に増えている。その理由は、従来の携帯電話と違い、「PCやPDA(携帯情報端末)などコンピュータの持つデータ処理機能が備わった高機能な携帯電話」だからだ。そして携帯の持つGPS位置情報が不動産調査と密接に関連し、特にグーグルマップとの親密性が高い。加えて物件写真をあらゆる角度から取ることが多い業界人としては高機能デジカメにも匹敵するスマホのカメラ機能も魅力だ。

スマホは、従来の携帯電話とは全く異次元のマシーンだ。まず画面が広く、インターネットに接続して見やすい。例えば、サムスン電子製でドコモから11月発売予定のスマートフォンGALAXY NEXUS SC-04Dの画面サイズは4.65インチ、解像度1280×720と、スマートフォンのなかでもひときわ大画面・高解像度だが、手になじむ大きさでノートPCに近いWEBページ閲覧ができる。

画面サイズの進化もそうだが、WEBページの視認性を向上させたiPhone4sのSafariの機能拡張も見逃せない。Webページにある広告など記事を読むのに邪魔になるものをタップするだけで除去し、読みたい記事だけを大きく表示させることができる。

スマートフォンのタッチパネル操作は直観的かつシンプル、想像以上に使いやすい。従来の携帯電話でのメールやWEB閲覧を敬遠してきたシニアや女性にスマートフォンユーザーが増えているというのもううなずける。機能面で、もの足りなさを感じるヘビーユーザーは、AndoroidMarketやApplestoreから無料、一部有料で提供されているアプリをインストールすると、好きなようにカスタマイズできる。

スマホは、いわばノートパソコンを持ち歩いているようなものだが、スマホのコンパクトサイズのなかにGPSによる位置情報+カメラ機能があるので、ノートPCを超えているともいえる。今や何人も携帯電話を「肌身離さず」といえば多少オーバーだが、常に持ち歩いている時代だ。仕事時はもちろん仕事時間以外でも、外出時に仕事と関係づけて素早く写真撮影したり、オフィスのPCとデータや写真画像を同期することが必要なシーンがある。スマートフォンはこのような瞬間を逃がさず捉え、不動産のビジネスシーンに威力を発揮する。

例えば、不動産調査をやるとき、「法務局」→「市町村役場」→「現地」→「他社物件・取引事例」と回るとしよう。それぞれの場所を出発・到着したときとか、予定時間になったらとかで設定すれば、そのタイミングごとに「やるべき調査事項」を通知センター経由で携帯画面に自動で知らせてくれる。また済んだ事項のチェックも入れられるので、後から気づいて後悔することが多い「調査漏れ」を回避できる。(※iPhone4sリマインダ―機能)

調査する土地や建物が数多いと写真画像も増え、後から「この写真はどこ?」ということがよくある。スマートフォンのアプリを使えば、撮影した物件の写真画像に付けたジオタグ(GPSによる位置情報)をもとに、アプリ内のGoogleマップ上に撮影場所(日時や詳細な位置情報も表示)をピンアイコン等で表示してくれる。写真とその位置を示す地図が関連付けられ画像管理も楽だ。(※アンドロイド・アプリ「フォトマップβ」)

オフィス外で現地調査等をしているときオフィスで、もしかしたら受信しているのではないか?と返信を急ぐメールが気になるものだ。このような時もプライベートの個人メールに加えて、オフィスのPCのメールの受送信が携帯端末から可能だ。オフィス外でも携帯でオフィスのPCのメールをチェックし、仕事用メールアカウントのメールを同じアカウントで返信することができる。これなど本格的なモバイル環境をコスト面で構築できない小規模事業所では重宝する機能だ。

またオンラインストレージサービスなどを使ってエクセルやワード等のデータをPCと携帯で同期させると仕事で便利だ。オフィスや自宅のPCで作っておいた物件価格の計算プロセスのエクセルデータや取引事例のPDFなどを現地でスマホで開いて調査作業の参考にしたり、相手先でパワーポイントを見せてプレゼンすることもできる。

スマホを仕事で使おうとすると、どうしてもスマホ端末とオフィスや自宅のオフィスのPC間のデータの共有・同期が必須となる。この際、面倒な操作が無く、ユーザーがほとんど意識せずにPCとスマホ端末間でいつの間にかやってのけているのが理想だ。iPhone4sのOS「iOS5」はiCloudというサービスを提供している。iCloudを簡単にいうとスマホで撮った写真がオートマチックにPCから見れたり、メールやカレンダーを簡単に共有し同期できる機能だ。これらの処理がiPhone4sとPC間で実現できる。ただしPCの対応OSはWindowsVistaまたは7までで、残念ながらXPはサポートされていない。

アップルVSドコモの戦いはより激化している。アップルはiPhone4sでOSをバージョンアップ、CPUもA5チップ搭載でシングルコアからデュアルコアへ進化させ、処理速度を飛躍的に向上させた。ドコモもiPhone4sに対抗して10月18日に2011年冬~2012年春の新機種を発表した。一部にデュアルコア搭載でサクサク動く機種も出ている。

次回から不動産調査に最適なスマートフォンの機種選びとか不動産調査に活用できそうな機能やアプリなど具体的に紹介していこうと思う。

■関連記事
  iPhoneの不動産調査活用法
      

おすすめ記事