セブンイレブンがリサイクル型店舗を全国展開

セブンイレブン・ジャパンは、閉鎖店の店舗部材を再利用出来る「リサイクル型店舗」を全国で展開する。出店コストが通常の新築に比べ、部材の共通化や工期短縮で3割程度安い。工期も短縮でき、立地移転が容易になるため、スクラップ・アンド・ビルドなどで他チェーンに比べて有利な店舗展開が可能となると見込んでいる。

日本経済新聞記事によると、

リサイクル型店舗は、トヨタホームとの共同開発。平屋建てで標準的な床面積は約200平方メートル。分解した屋根や壁、柱、看板などをクリーニング後に新店として再び組み立てられるよう設計されている。

コンビニ業界も急速な多店舗展開のつけで飽和点に達しており、売上も減少するなど今後の経営環境は不透明感が強い。もっともスーパーなど小売業界や外食業界でも、長引く雇用環境の回復の遅れや家計所得減少で個人消費が低迷、商品等の需要量に比べオーバーストアであることには変わりない。

厳しい商業環境のなか小売店や外食チェーンでは初期投資を抑えながら狭い商圏でも顧客を吸収できる小型店を新規の店舗展開の軸足に移しつつある。集客力が高い都心部や駅前へ出店すれば小型店でも客の回転率は高く、初期投資の回収期間は短縮するという狙いだ。

さらに出店コスト削減からコンビニの退店跡をスーパーの新規店舗に活用するケースも出てきた。イオンはコンビニエンスストアの退店跡に着目して、小型スーパー「まいばすけっと」を都内や神奈川県などに140店超開いているが、1店あたりの出店コストはコンビニと比べ4~5割安いそうだ。

セブンイレブンの「リサイクル型店舗」は、このような商業環境下で生み出された小売り各社の店舗小型化戦略をさらに進めたものと言える。当該店舗は、環境配慮型店として、発光ダイオード(LED)照明や太陽光発電パネルを新たに設置。環境重視をアピールして開店後の電力消費量も従来より2割程度減らすようにするなど単なる初期投資の削減効果だけを狙っているわけでないようだ。

日経同紙によると、

今回、岐阜県内で開業し、今年春に閉鎖した店舗を岸和田市で再利用する。外壁を100%再利用するなど建物全体の約4分の3を活用。(中略) 同社では、出店を予定する1,000店のうち約700店は、ビルなどへの入居型ではなく新たに建物を建設して開業する計画。このうち半数の350店を移築可能型とする方針だ。

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