震度7で無損傷の寿命200年超ビル

日本鉄鋼連盟など3団体が震度7でも無損傷、寿命200年超ビルの新工法「新構造システム建築」を開発した。寿命は200年超と従来ビルの約4倍だが、10%のコストアップで建設できる。震度7の地震に耐えられるレベルなら従来ビル性能を超えないが、新工法では損傷が全くなく。建物内部で働く者の安全を守る。

日経紙など各紙に紹介された新工法であるが、日経産業(09年2月4日)が具体的で詳細だったので、本紙記事から先端のテクノロジーを紹介する。

建物の強さの秘密は、オフィスビルを外側から支える外壁に使用する鋼材の強度にある。新工法では組み上げられた鋼材がオフィスをすっぽりと包み込む形をとる。この鋼材の強さは1平方メートル当たり800ニュートンの引っ張りに耐えられる水準。鋼材を圧延する際の微妙な温度調整で粒子の大きさを従来の半分以下に縮小して鋼材の強さを高めた。

組み上げられた鋼材に包み込まれた中身のオフィスビルは従来の鋼材を使用しているが、高強度の外壁に制震ダンパーを使って接続しているので、震度7クラスの地震が発生しても、高強度外壁と繋いだ制震ダンパーがオフィスビルの揺れを10分の1まで小さくするのでビル全体の揺れは半分程度まで減衰するという。

二酸化炭素の排出量も単年度で4分の1程度と環境にも優しい。すでにつくば市の建築研究所で実験を繰り返し、震度7に耐えられることを確認している。年内に加盟企業を通じて受注までこぎつけたいという意向を持っている。

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