リーシングに威力、ビル版健康診断

1982年、㈱リクルートのビル事業部としてスタートしたザイマックスは、PMの大手企業であるが、科学的ビル経営というコンセプトに基づき京都大学大学院工学研究科建築学専攻加藤直樹研究室との共同研究で「ビル版健康診断」を作成した。

ビル賃料を形成する多面的な要因をテナント目線で検討し、賃料推計モデルを導いた。同社のサイトによるとオフィスビルの賃料は、「近・新・大」と表現されるような立地や建物規模など変えようがない非可変要素だけで決まるものでなく、マネジメント能力という可変要素も賃料形成に寄与していることをつきとめ、「オフィスビルの印象・イメージ評価」などあわせて60項目以上のデータを用い、データマイニング解析手法を使い、賃料推計モデルを構築した。

可変要素というのは、例えば、エントランスやトイレ、外観の印象・イメージといった主観的、感性的なもののようだが、テナント目線でこのような要因を定量化して、リーシング力が高いとか、賃料を高く取れるとかの計算モデルを作り上げた点が興味を引いた。非可変要素は、建て替えたり、リノベーションするしか改善手段がないが、イメージや印象といった可変要素ならPMにより改善が可能だからだ。また必要に応じてビルのリニューアルへと新規事業を展開も可能だ。

鑑定評価にも是非、応用したい手法である。

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