古材を使った賃貸住宅リノベーション

古民家を解体したときに出る古材をアパートなど賃貸住宅に使う…伝統ある古材と安普請で仮の住まいのイメージが強い賃貸住宅の組み合わせ、このような発想はなかなか固定観念からは出てこないが、古材を使った賃貸住宅のリフォームが好評で競争力を高めたいオーナーの関心を集めている。

日経産業と四国新聞に紹介された木材卸で古材販売事業も展開する坂出市の塚田木材は、古材を活用して賃貸マンションなどを再生するリノベーション事業を始めた。筆者も同社のWebで壁や天井、床の間の装飾に古材を使った施行例を写真で見たが、モダンとアンティークが融合した空間は、なかなかの出来栄えなのだ。

自宅を古民家風に建てたいという施主は、年々増えている。このような施主の希望を受け古民家の解体で発生する古材を使い、味わい深い住宅に再生する専門業者も存在する。

塚田木材は、競争力が落ち空き室が目立ってきた賃貸物件の稼働率を向上させたいオーナーに目を付けた。賃貸住宅の入居者のなかにも古民家に憧れを抱き、リーズナブルにテイストされた賃貸住宅に住みたいと希望する者が多いからだ。賃貸住宅オーナーにとっても個性的な住空間を提供することで物件の差別化を図り、競争力を高めることができる。

問題はリフォームコスト。古材というと値が張るという印象を持ちがちだが、古材の量や質にもよるが通常の物件リフォームと同程度のコストでできるらしい。

同社は2004年8月から、古民家から出る古材を再利用する事業に参入、着実に需要を増やし、小規模のものも含め年間200軒程度の建築に携わって1戸建や店舗建築でノウハウを蓄積してきた。

具体的には、塚田木材の担当者が物件を見てデザイン案、見積もりをオーナーに提示したり、提携している設計士や工務店などと共同して、古材によるリノベーションのプラン作成から施工までをサポートする。今後は、照明器具などもアンティーク市場から取り寄せ、古材を用いた空間プロデュースを展開していく。

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