鑑定眼
建築条件付売地
不動産鑑定士・(社)不動産証券化協会認定マスター・司法書士
山田 毅

建築条件付き売り地は、完成済みの建売と違い念願の注文住宅が獲得できると夢を膨らませがちだが問題が意外に多い。条件付土地を購入した場合、通常3~6ヶ月以内に指定する業者と建築請負契約を交わすことになつている。更地段階から住宅を建築するわけで、注文住宅やイージーオーダー住宅(一種の注文住宅)が可能となつていても実際にはそれほど自由度がなく、変更を要求すると法外なオプション料金を取られたりするケースもある。

建築条件付宅地の販売は、近年、増加傾向にあるが、トラブルになったケースも多い。業界の自主規制団体「不動産公正取引協議会連合会」は、建築条件付の公告表示に関する条項を新たに盛り込んだ公正競争規約を施行している。それによると必ず公告表示する項目として

  1. 建築条件付という事実
  2. 土地売買契約後に建築工事契約を締結するべき期間
  3. 建築条件が成立しない場合は土地売買は解除され、金銭はすぐに返還すること
  4. 参考プランを採用するかは買主の自由判断
  5. 参考プランの価格


を挙げている。

建築条件付では、工事をする工務店を自由に選べないため、複数業者から見積もりを取り、建て主主導で工事料金を決めることができない。建築工事を競争見積もりを取らずに契約することがいかに建て主にとってハンディがあるかは、業界人なら誰でも知っていることである。
相見積もりから工事種別毎に単価や数量を比較することで高すぎる工事費を見つけて価格交渉できる。
「A社はこの材料と仕様でこの値段だがオタクはチョット高いですね」といった具合にである。他業者の見積もりは価格交渉時の根拠になる。
価格見積もりが1式000円式の杜撰な業者は、筆者の経験ではまずお薦めできない。工事の範囲や品等が明確でないのでトラブルのもとである。
そして実際に建築して技能が低いことが判明したりする。また建築契約までの期間が不十分なため十分話し合いなく決めてしまいがちなので変更,追加工事が多くなる。

業者によつては建築請負契約時の添付設計図書が不十分か杜撰な場合もある。見積もり内訳書が粗雑だと工事内容,範囲が明確でなくもめたときに施主は弱い。仕様書(施工上必要最低限の注意事項と材料の選定に関する基準、仕上げの程度を明記したもの)の提示がない場合、基礎の配筋や木材を継ぐ金物、断熱材のレベルなど住まいの重要部分が業者仕様でされてしまう。

以上から建築条件はお薦めできないが、どうしても建築条件でやらなければいけないときは、その会社が過去に建てた建物を見ることで、デザイン性など表面的な出来ばえ判断できるが、できれば建てた建物の居住者にトラブルがなかったか、トラブル時の対応はどうか、住み心地はよいかなどヒヤリングすることである。
重要なのは、その会社の工事中の現場があれば頻繁に足を運んで基礎、躯体などの工事状況を見ることにつきる。

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