シンクライアントがワークスタイル、オフィスを変える
オフィスの固定席に座り各自のPCにインストールされたメールソフトやエクセル、ワードを使って仕事をし、作り上げた文書や集計表などをPCのハードデスクに保存するといった日常的で見慣れたワークスタイルが変わろうとしている。その革新的なITテクノロジーがシンクライアントだ。
シンクライアントでは、クライアントが使うPCのなかから必要最小限以外のアプリケーションをなくし、サーバーコンピュータにインストールされているアプリケーションを駆使して仕事をし、ファイルの管理をすることになる。
例えば、営業職のA君が外出先や自宅から端末を使って遠隔操作で社内リソースを操作すると、A君の端末にはサーバー上で動作するアプリケーションの画面が表示され、A君はあたかも自分の端末にアプリケーションがインストールされているような感覚で仕事を行なう。やがてA君が仕事を終えて端末の電源を落すと、A君の端末にはデータはなにも残らない。ここがセキュリティ面からシンクライアントが高く評価されるポイントでA君のパソコンには記録媒体としてのハードディスクが搭載されてないのでデータが一切残らない。つまり情報が外部に漏洩するという心配がない。
ノートパソコンを車のなかに置いといたら、盗難にあい、顧客の個人情報が漏洩した。その結果、企業は顧客の個人情報の外部流出で莫大な損害賠償と企業信用を失墜する羽目になってしまったなどの被害が減少する。これまで企業がノートパソコンを持ち運ぶモバイルや在宅勤務などに2の足を踏んで積極的に導入できなかったのは、オフィス外の監視が行き届かない場所でパソコンを使うとどうしてもセキュリティが脆弱になりがちだったからだが、シンクライアントでセキュアな環境が構築できるなら、モバイルや在宅勤務の導入に弾みがつくと思われる。
現時点では、企業が社内のパソコンをシンクライアントに変えるには、システム構築などで通常のパソコンに比べ若干イニシャルコストが高くなるが、アプリケーションソフトなどの資源をサーバーで一括管理するため消費電力が減り、端末ごとのソフトの更新やセキュリティ対策が不要になるため、ランニングコストが低下するというメリットが享受できるようだ。
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