不動産流通市場における最新のインターネットの活用
不動産流通市場においてインターネットの活用が急速に進化している。従来まではWeb上で、ユーザーが予算、希望地域、規模などの検索条件を入力すると条件該当物件が表示され、表示物件が希望に沿わなければ、ほかの競合サイトに移動するか、後日、リピートし同様な作業をするかであった。しかし各不動産流通業者のサイトをリピートする保証はない。これでは見込み客を逃がしてしまう。
最近大手業者では、顧客専用ホームページを用意し、顧客に希望条件をインプットさせ専用ホームページには希望条件にあう物件が毎日更新され表示される。同時併行で継続的に営業マンがメールなどでフォローしていくシステムを構築している。
住友不動産販売は顧客が同社のホームページに個人のホームページを開設し中古マンションなど希望物件の購入条件を担当営業員と直接交渉できるサービスを始める。顧客はネット上で希望物件を指定すれば営業員と1対1で価格交渉などができる。
不動産仲介大手東急リバブルは10月20日から顧客ごとに専用ホームページを開設し、物件情報を提供するサービスを開始する。新サービスでは顧客が自分の専用ホームページに接続するだけで最新の物件情報を閲覧できる。顧客が名前、住所のほか探している物件の価格帯や間取りなど登録すると顧客専用のホームページが開設される。専用ホームページには希望条件にあう物件が毎日更新され表示される。12月からはホームページ上で質問事項や要望を担当者と直接やりとりできるシステムを構築する。
有楽土地住宅販売では、顧客別の専用ホームページを配信するサービス「住まい予想図」をスタートさせた。ローンや税金、住宅選びのポイントのほか、希望するエリアの街情報などを、利用者のライフステージや悩みに応じて届けてくれる。現在、世田谷・浦和・新松戸の3エリアで9月18日まで参加者を募集中。対象エリアは順次増やしていく予定だ。
インターネットの活用の背景としては、ネット上での成約率が急激に伸びていることがあげられる。ネットの入り口の舞台裏には、顧客のレスポンス対して即答できるような営業担当者がいて、契約までの大半の話を済ませてしまう。しかしお互いの取引の安全のために、最後は必ずマンツーマンが基本。現地の確認、取引の最終確認は直接会って書面と合わせて確認するという営業形態が定着しようとしている。
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