不動産鑑定士の適格性
不動産鑑定士志望者から適格性や収入などの質問をメールや口頭でをよく受ける。この紙面でそれらについて述べてみよう。
■適格性
知的好奇心が旺盛で本を読むのが好きなこと。鑑定の対象は広範囲に及ぶ、土地の具体的利用形態は千差万別で、杉山、蓮根畑、ゴルフ場、工場、高層ビル等等…。人間の土地利用は広範多岐であり、これらの各利用形態についてある程度の知識がいる。鑑定士2次試験科目以外に建築、土木、雑学などが必要で、専門書やインターネットなどから常に吸収しなければならない。
論理的構成力と論証力も要求される。つまり広範な知識の土壌から3方式を適用し価格という結果を帰納させ、依頼者や相手方にその価格の妥当性を充分に論証しなければ満足が得られないからだ。
不動産を実査しなければならないため、対象不動産の存在する場所に足を運び、五感で体得し、価格形成要因にリンクしなければならないため健康は大事な要素となる。
■収入
幾らぐらいになるかは、個人の力量でなんとも言えない。真面目に誠実にやればそれなりの生活は可能であるが反面、多額の収入を得ることは難しい。ほかの資格はゼロからスタートするが、鑑定士は公的評価があるため、開業はしやすいと思う。
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