WEBGISと不動産鑑定評価

不動産鑑定分野にGISが急速に導入されている。何故なら不動産鑑定士は鑑定評価作業で地図を頻繁に使う人種だからだ。事例地、公示地、路線価、売り物件などの価格データと鑑定対象地について各データの位置、形状、周辺状況などを地図をみながら品等比較する。価格データだけでなく都市計画用途地域、道路台帳、上下水の状況など数多くの情報を地図で確認する。これらのデータがテーブル形式で一覧表示されても地理情報がなければ鑑定評価は暗中模索状態になる。いままではその業務で取得されたデータは紙ベースでバラバラに分散されデータベース化されていないのが大半の業者の実情ではなかろうか…

GISは地図をデジタル化した地理情報を軸に様々な価格データを一元管理する便利なツールである。これからGISの導入を検討する不動産鑑定業者はWebGISへの動向に注目すべきだ。今年1月の政府の「e-japan戦略」の宣言、さらに中央省庁のLANを専用線で繋ぐ「霞ヶ関WAN」、全地方自冶体を結ぶ「総合行政ネットワーク(LGWAN)」の構築が進んでいる。

Web対応システムが電子政府化の進展により構築されると鑑定業者が導入しているGIS環境で生み出された成果品(電子ファイル)が納入先である地方自冶体のGISのシステムに取り込めるかという問題がいずれでてくる。GISスタンダード(統合型GIS地理情報標準や、交換標準[G-XML]に準拠)やデータの互換性などの整合性があるからだ。つまり鑑定業者はデジタルな地理情報データを異なるシステムや組織間で交換可能とする地理情報標準化の動向をモニタリングしなければならない。

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