テレビ朝日ニュースステーションと自民党総裁選
キャスター久米宏が自民党総裁選の4候補を交えてインタービューしたニュースステーションは4候補の人間像を見事に浮き彫りにして見せた。
日頃、番組でこきおろされているせいか小泉純一郎を除く3名は最初から機嫌が悪かった。亀井静香は帰ると恫喝してみせた。橋本龍太郎は「人を子馬鹿にしたスローカーブ」と例えられる例の口調で政策通をひけらかした。麻生太郎は口をとがらせて政治家でない素人に選挙が解るかと反論した。彼等はスタジオの久米宏しか視野になかった。久米宏も政界の妖怪たちを持て余し気味で会話がいつものテンポではなかった。
この気まずい雰囲気の中で小泉純一郎はテレビカメラの向こう側にいる視聴者に向かつて自然に伝わる自分の言葉で適度に抑制を効かせ持論を展開して見せた。この番組を見た多くの自民党員の嗅覚は、誰が参議院選挙で勝てるかを明確にとらえた。その判断は国民レベルの視聴者の判断と一致した。
政治家がテレビの映像で見せた素顔が政治を変えた。
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