メール雑感
インターネットの急速な普及に伴いEメールが、ビジネスを始め生活全般に定着した感がある。ビジネスの現場では、仕事の指示、打ち合わせは従来は、電話、FAX、稟議書などが伝達媒介であったが、1人1台に近いPCの普及、リアルタイム性、送受信記録が残るなどによりEメールが主役となった。このことがビジネスにもたらせた革新的影響は、数多く指摘されるが、それらとは視点を変えてその効用を考えてみよう。
従来の日本的合意形成は、建前と本音、根回しなどに代表され、その象徴的行事が稟議と退社後の焼き鳥屋などでのコミュニケーションとなる。「課長もきついことを言うが本当は辛いんだ」などと納得し、建前社会が維持されてきた。Eメールが企業内の意志伝達の主役になることでこれまでの構造は微妙に変化する。これまでの階層的稟議は、業務判断の迅速性を犠牲にしてきたため意志伝達はEメールによりフラット化される。根回しは不要となる。
またEメールは、会話、電話のように即時的でない分、冷静な判断ができ、これは重要な点だが、稟議書のように固くないため本音をメールに上手に反映させることも可能だ。Eメールの効用は実に多い。社会現象でみればiモードに代表される若者のメール文化も情報欠落の恐怖と軽く浅くという人間関係の保持にあっているのかも知れない。
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